閉鎖

産婦人科は妊婦で憂さ晴らしが好き

毒親問題を解消しようと実家に乗り込み闇を見た話

妊娠初期でせっかちながら、
育児系列の記事を見かけると読むようになった。
そして私はありきたりな子供にこうするといいという話を聞いただけでも、自分の子供時代を思い出して悲しくなる。


イライラすると母親は物に当たる。響く食器の音や、叩きつけられる物、母がキレて投げたブラシが折れたこと、折れたブラシの色、まな板を包丁で叩きつける母親の後ろ姿を未だに覚えている。

私はキッチンのそばのリビングにあるパソコンの前で、母がイライラしているわけではなくとも、母のたてる物音に驚かないように神経を張り詰めながらパソコンをしていた。

母は家から追い出しもするし、怒鳴りもするし、私の小さい頃は手を出すことも多かった(父も母も妹にはしなかった)
私は小さい頃に10円ハゲを作っていたらしい。
そういえば長い髪のキャラクターを思い出してああなれなくなったらと不安がってた記憶がある。

昔からストレスに過敏だった(心理士にはストレスがアレルギーと言われてしまう)
高校にもなって私が言い返すようになると、少女漫画の性格悪い女キャラのテンプレートそうな発言をするようにもなった(人を悪く言うなといつも言ってる)

ポジティブがネガティブかを過剰に気にする。ポジティブに憧れる母は人と接することはいいことという盲信に取り憑かれていた。

私は届いた進研ゼミをやり、宿題もし、テストは満点ではないが褒められてこそいた。しかし母は私にゲームを捨ててやると脅すのだ。理由はわからないがたぶん外で遊ばずゲームをしているから。

ちなみに手伝いは無謀だった。母は効率重視に加えてこだわりが強い。
大体のことはやらせてくれない。父がやっても愚痴を言われて終わる高難易度だ。
洗濯物を干すのも完全固定だが、トイレ掃除を教わった時は拭く順番だけでなくペーパーの畳むタイミングと捨てるタイミングまで指定され、私は頭痛を起こし寝込み、結局母任せになった。

人の迷惑に!悪人に!なってはいけない!という母親を前に、私は人と関わることへのプレッシャーを大きく抱えるようになった。

相手を傷つけないように完璧にしなきゃいけないという脅迫概念はあれど、幼少期のうちから既に、全員は無理だと仲良くする相手を絞るようになり(独占欲オバケ)
神経質に関わるあまり相手に仲良くした見返りを求めたり、人付き合いが接待のように感じて疲れるので大人である教師と頻繁に接する重い女(小学生)が作り上げられた。

そんなこんなで神経質第二号になった私は、娘にはここまで神経質に当たらぬようにしなくてはと焦っている。しかし毎度思い出してしまうのでなかなか探すのは進まない。

このままでは行けないと一度旦那と母と妹の所に行った。母と繋がってる携帯を持っているのは嫌で旦那が母と連絡をするようにしていた。 

車で迎えに来た母は「途中で駐車した所に傷(とても小さいらしい)をつけちゃったから店の人に車の持ち主を人を呼んでもらってお詫びをする」という母とスーパーに入った。

この時に妹も共にいた。
母は「身長も止まっちゃって、少食だから痩せこけてきちゃったのよ。痩せてて羨ましいわねぇ」と他人の車の傷には必死なのに娘の体にはずさんな興味しかないことに驚愕した。
妹に私はただBMIという概念を教えることしか出来なかった。

そしてしばらく母と旦那さんをサービスカウンターに残し、スーパーで妹と歩き回った。高校生になった妹に「私が家から出たけどまだ父親と一緒の部屋にいるのか」と聞いたら「いるよ」と答えた。流石に一緒に風呂に入っているかは聞けなかった。

母からは『子供らしさ』を求められているので性知識の調達には本当に悩まされる。
なにせ母親は父とサスペンスを妹が見てるだけで「悪い子にならないか心配」と抜かしだすのである(私は道徳で無理やり終わらせる理不尽さと無情さと後味の悪さが嫌いです)

中学にいじめ加害者から知らない言葉でからかわれたのをきっかけに、私は性知識をインターネットで調べ出した。しかし妹はどうなんだろうと謎のままだ。何故なら妹は携帯をいまだに子供向けロックされているのだ。たぶんラノベアニメ見てるから増えていると願いたい。

そして私は母とは「お母さん、おばあちゃん宗教入ってたからお母さんもアダルトチルドレンだよ」とだけ言った。
そして今回のことで母を前にするとやはり過去の出来事が蘇りやすいことを知った。

私の記憶は暗いことを多く覚える。昔の記憶は傷つけられた記憶もあるが、傷つけた記憶や失敗した記憶まで残る。ただの黒歴史ノートほど愉快ではなかった。なにせふとしたきっかけで開き、罪に問われ、改めろと迫られていような感覚なのだ。

私が責任や失敗を恐れるのはこの記憶の蓄積されやすさも関係している。
冷静に思えば企業が責任を取ったら好感度はあがる。
しかし文字を見ただけで内臓が締め付けられているような苦しさが生まれる。

夕食はなんとなくいただくこととなった。その間は旦那さんと妹とアニメを見ていた。母は見るもので妹を心配するので妹は別の部屋でアニメを見ている。妹ながら、多くのアニメを見ているのに加えて、びっくりするほど見るアニメは私と違うのだ。

旦那さんは私の家の夕食をここで知った。ひじきと野菜、そして鶏胸。

妹は私が去るのを嫌がっていたが、私も長くいると気を病んでしまうことが増えるので家を去った。
そして旦那さんはその後すぐ、飲食店に連れて行った。それほど質素だったのだ。

私はぼんやりしてた。
「たぶんもちの情緒不安定は栄養不足もあるね」と旦那さんは言った。 たくさん食べようと油分がちっともないのだ。
加えて「妹が俺には凄い素っ気なかった。たぶん身内で気づいてないだけで家族にぶりっこしてて疲れてるよ」と言われた。

なんだろう。
私は結局何かから開放されただろうか。
今となってはよくわからない。

あれから一ヶ月はたった今でも行き詰まっている。
もちろん許したくはないし、忘れることも難しい。
親子連れを見ると思い出す。
夢見の悪い朝、そんなことを私は考えるのだ。